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困惑②
シルバは目の前に来ると、手を広げて待つ俺の胸にそっと身体を預け
「ママ、ただいま。」
と小さな声で呟いた。
その様が愛おしくて、想いを込めてぎゅっと抱きしめた。
「シルバ、お帰り。」
シルバは暫く俺にくっ付いていたが、つっと離れると
「ママ…黒曜とママの赤ちゃんだよね?
僕、ママのこと『ママ』って呼んでも、いいの?
僕…本当の子供じゃないよ?」
大きな目が少し潤んでいた。
胸がきゅうっと軋んだ。
「シルバ!シルバ何言ってんの?
当たり前じゃないか!
俺はシルバのママだろ?
約束したじゃん!『俺がママだよ』って!
赤ちゃんができても、シルバは俺達の子供だよ!
赤ちゃんのお兄ちゃんだよ!
だから…そんなこと、言わないで…
『ママ』って呼んで…」
必死で言いながら、じわりと視界が霞んできた。
こんな…こんな幼い子供にそんな気遣いをさせてしまった…
シルバはシルバで変わりなく、俺達の大切な家族なのに…
お願い、そんな悲しいこと言わないで…
俺はぼろぼろと大粒の涙を零していた。
「…ママ…ママ、泣かないで。ごめんね。
ママ…ママ…」
シルバも泣きながら、オロオロと俺の頭を撫でていた。
ふわりと大きくて温かな腕に包まれた。
黒曜さん!
黒曜さんは胡座をかくと、泣き続ける俺達二人を膝に乗せて
「銀波。誰が何と言おうと、銀波は俺達の息子だ。
俺達に子供ができても、銀波は俺達の長男だ。
大切な家族なんだ。
それを忘れないで。
いいな?」
「…はい。」
「…シルバ…泣き虫のママでごめんね。」
「…ママぁ…」
シルバがぎゅっと抱きついてきた。
愛おしい小さな温もり。
「シルバ…大好きだよ…」
「うえっ、うえっ…ママぁ…」
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