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報告③
デスクに戻ると花巻と森田がやって来た。
そしてこっそりと
「葛西、おめでとう!後のことは任せて!
課長から聞いたよ。
お前が“お母さん”になるなんてなぁ…」
「ありがとう。迷惑かけてすまない。
よろしくな。
…でも、お前だってその可能性アリだろ?」
「うん。でも、俺達はちゃんと避妊してるから。
あと一年は働いてしっかり貯金してからって決めてるからね。
…ねぇ、お母さんになるってどんな気分?」
「え…まだ全然実感わかない。何か不思議な気分。
でもさ、しっかりしなきゃ、強くならなきゃって思った。」
「そうか…俺達でできることなら協力するし、情報も流すから、あんまり一人で抱え込んで悩まずに、ゆったりと構えてろよ。」
「うん、ありがとう!頼りにしてる。
人狼のこともわかんないしさ、身体が変わっちゃって何から手を付けていいかもわかんないんだよ。
…とりあえず、明日からの引き継ぎよろしくな。」
「了解!じゃあ、外回り行ってくるよ。」
「うん、ありがとう!行ってらっしゃい!」
森田の後ろ姿を見送りながら、アイツらしっかりしてるんだなと感心した。
生活設計をちゃんと立てて、避妊もして…
俺は…
後先考えずに本能に任せて…結果、妊娠。
はあっ…
まだ人狼のことも何もわかってないのに。
それに妊娠期間が三か月!?半年!?
聞いてないよ…
とにかく、やるべきことを一つずつやって、それから考えよう。
あ…父さん達にも伝えなくっちゃ。
準備するものとか気をつけることとか。
出産の時にシルバの面倒も頼まなきゃ。
でも、それは黒曜さんと相談して…
うわぁ…忙しい。
昨日はシルバのことと、ただうれしいという思いだけだったけど、現実は待ってはくれない。
しっかりしろ、輝。
お前はもう二人のママだからな!
自分に気合を入れ直して、俺は席を立った。
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