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報告⑥

のんびりさせてもらって出てくると、黒曜さんは丁度電話中だった。 「……ええ、はい、はい…はい、そうですね。 あ!出て来たので代わります! 輝!お義母さんだよ!」 ニコニコしながら携帯を渡された。 「もしもし…」 「輝ーーーっ!おめでとぉーーっ!」 「………母さん…耳、潰れるかと思った…」 「ごめんごめん!よかったね!父さんも喜んでる! 気を付けることとか、利用できる施設なんかを黒曜さんのパソコンに送っとくから、時間のある時に読んどきなさいね! 産み月になったら手伝いに行くから!」 「…うん、ありがとう。」 「…とにかく、大事にして…」 「うん。父さんにもよろしく伝えといて。」 「わかったわ。おばあちゃんにも連絡するのよ。」 「わかってる。じゃあね。」 「また連絡するわね。じゃあ。」 「…耳痛い…ただでさえ、母さんの声大きいのに…」 「あははっ、大丈夫か? お母さん、絶叫して大喜びだったよ。 俺も耳が潰れるかと思った。」 黒曜さんにも叫んだのか… 「ごめんなさい。 あの人、普段はおっとりしてるんですけど、そういったことには喜怒哀楽激しいので… 耳、大丈夫ですか?」 「あぁ、何とかね。」 黒曜さんは笑いながらウインクした。 「さて、おばあちゃんとお義兄さんにも電話しとかなきゃ。」 うれしそうに携帯をタップする。 そうか…この間、全員とラ◯ン交換してたんだ。 「まず、おばあちゃんにね。」 妊娠のことを話すと、思った通りの反応で、何だか恥ずかしい。 いろいろ話して、最後に言われた。 「シルバちゃんのことを何でも先にしてあげるのよ。」 やっぱりそうか… 「赤ちゃんはね、そこにいるだけでみんなが構うし注目される。 …浩司もあなたにヤキモチを焼いて大変だったの。」 思い出したのか、くっくっくっと電話の向こうで笑い声が。

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