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報告⑧
「…………なんだ。
おい、輝、聞いてる?」
「うん、聞いてる。兄さん、とにかくありがとう!
また連絡するから。」
「おい、黒曜君に代わってくれ!」
あれこれと教えてくれるのはいいが、今の俺には ちんぷんかんぷんで、 黒曜さんに携帯を押し付けた。
「もしもし?」
「黒曜君?悪いけど、輝のことよろしくね!
ところでさ、この間、噂になってるって言ってた人狼の子供の誘拐事件なんだけど。」
「その後、何かわかりましたか?」
「ああ。やはり、そういう組織があるみたいだ。
つい一週間程前、知り合いの子供が連れ去られそうになって、大騒ぎになった。
幸いにも、大人がすぐに駆けつけて大事に至らなかったんだが………
捕まえた奴が下っ端でね、詳しいことはわからずじまい。
だから、シルバちゃんも気を付けた方がいい。
どこで目を付けられるかわからないから。
人狼の警察官が大勢いるんだが、まだ捜査が進まなくてヤキモキしてるらしいよ。」
「…わかりました。ありがとうございます。
用心に越したことないですよね…
気を付けるよう、輝にもシルバにも話をします。」
「そうしてくれると助かる。
ところで、今度二人で飲みに行かないか?
いろいろ話したいこともあるしさ。
あ、時間があった時でいいよ。」
「いいですね!ぜひ!
お義兄さんの都合の良い日を教えて下さいね。
なるべく合わせるようにします。」
「うれしいな。
近日中に、何日かピックアップして送るよ。
もし、それらがダメなら来月に…ってことで。
じゃあ、輝とシルバちゃんによろしくね!」
「はい、ありがとうございます!
俺も楽しみにしてます!じゃあ!」
今日は賑やかしさのオンパレードだ…
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