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報告⑨
俺は何だかもうぐったりで、どうやら涙目になっていたらしい。
そっと目尻にキスされて
「輝、いろんなことがあり過ぎて疲れただろう?
今夜は早めに休んだ方がいい。
俺も後で行くから。」
なぜか一人にされるのは急に不安になり、いやいやと、子供みたいに首を横に振った。
「…一人は嫌です…黒曜さんと一緒がいい…」
その言葉に目を見張り、俺をぎゅっと抱きしめた黒曜さんは
「どうした?輝…どうかしたのか?
いや…不安だらけだよな…ごめん、わかってやれなくて。
一人は嫌だよな、うんうん、わかった。
一緒に行こう。
そして、昨日みたいにくっ付いて眠ろう。」
俺のワガママを聞いてくれた黒曜さんの胸に引っ付いて、やっと俺は安心して眠ることができた。
翌日、黒曜さんとシルバに、行ってきますのキスをして出勤した俺は、引き継ぎをするべく、花巻と森田とを伴って行動していた。
「…で?事務に行くことを決めたのか?」
「うーん…この間も言ったけど、俺って不器用なんだよね。
だから、あれもこれもって、一度に手を出すと、どれもまともに進まないんだよ。
うちにはシルバがいるだろ?
あの子のこともちゃんとしてやりたいから…」
「一度、大橋課長を訪ねてごらんよ。
あの人、器の大きないい人だよ。
見た目と全然違うから。」
「そうだよ!
だって来週から異動って言われたんだろ?
話はついてるはずだから。
心配しないで行ってごらんよ。
とにかく、今日と明日で引き継ぎを終わらせて!」
「うん、わかった。ありがとう。
お前ら、本当にいい奴らだな…」
二人にハッパを掛けられて、引き継ぎをこなして、ほぼ終了した。
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