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ストーカーside:輝①
黒曜さんからの電話…何か用事があったんじゃないのかな…
声聞けてうれしいけど、いつもと少し違ってたような…
「葛西君、ダンナさんから?」
運転中の花巻に声を掛けられた。
「うん…別に用事じゃなかったんだ。」
「いいねぇ、新婚さんは!
『特に用事はないんだけど…声が聞きたかったから…』ってとこか?
あー、お熱いことで。ご馳走様!」
助手席の森田に揶揄われる。
「そう言うわけじゃないんだけど。
何かいつもと違う…嫌な予感がする。
『気を付けて』って言われた…」
「どういうこと?葛西君、狙われてるの?
誰に?」
「要、ちょっと黙れ。…さっきから…白のセダンに追尾されてる。
…振り切るぞ…葛西君、シートベルトしてるね?」
「はいっ!」
「気を付けて運転するけど、お腹に負担が掛からないようにね。
要!お前、誠治に電話してくれ!
後ろの車のナンバーと車種、わかるか?」
「浩一、任せて!…オッケー…見えたよ。
もしもし、誠治?緊急事態だ!頼む!
車の持ち主調べて!ナンバーは『◯川 ◯◯◯ ◯ ◯◯-◯◯』
復唱するよ!『◯川 ◯◯◯ ◯ ◯◯-◯◯』
俺達会社に戻る途中なんだけど、変な車に尾行されてる。
営業車両三号車!
応援よろしくっ!」
誠治?…誠治……総務の赤丸誠治さん!?
持ち主調べるって…
応援?
花巻、森田…お前達、一体…何者?
花巻はハンドルさばきも鮮やかに、右左と車線を変更して車の間をかいくぐって行く。
「要、後ろどうだ?」
「やっとこさ付いてきてる…って感じだね。
おっ、覆面さん、登場だよ。」
覆面…『応援』って、警察!?
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