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ストーカーside:輝④
花巻は何かを思い出すように天井を見上げていた。
森田はそっと俺の背中に手を当て、摩ってくれている。
その優しさに『狙われた』という恐怖が少しずつ消えていった。
黒曜さんが『気を付けて』と言ったのはこの事だったのか?
黒曜さんは無事なんだろうか?
シルバ!!!シルバは大丈夫!?
「あー、もしもし?うん、松村。
ねぇ、葛西君達を襲った白のセダンの犯人、どうなったの?
え?盗難車?
うん、うん。
は?もう一台盗難車?で?
へぇー…そう…そうか…
うん、わかった。
詳細わかったら教えて。すぐにね!」
電話を切って振り向いた先生は
「君達を付けてた車は盗難車。
車の持ち主はシロだったよ。」
「先生、それで?犯人は?」
「今取り調べ中。口を割るかどうか…
葛西君、君のご主人もストーカーされてたそうだよ。」
「えっ…黒曜さんも?それでっ???
無事なんですか???どこにいるんですかっ???」
先生の胸ぐらを掴んで問いただす俺の頭をポンポンと撫でた先生は
「葛西君、落ち着いて!ご主人も無事だから。
あっちも盗難車で持ち主はシロ。
でも犯人は捕まったからね。そっちも取り調べ中。」
「…指…離れない…」
森田が一本ずつ、俺の指を広げて先生の胸元から引き剥がしてくれた。
「…先生ごめんなさい。森田、ありがとう。」
「大丈夫だよ。
立て続けにこんな目に遭って、動揺するのは当たり前だ。
それより、犯人の尻尾、見つけなきゃな…」
コンコン
突然のノックの音にびっくりして飛び上がった。
「はーい、どうぞー。」
入ってきたのは…中澤課長と…赤丸さん?
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