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ストーカーside:輝⑥
俺は慌てて画面を見ると、黒曜さんから!
「もしもしっ、黒曜さんっ!?」
『輝っ!輝、無事かっ?』
「黒曜さんこそっ、大丈夫なんですかっ?
どこも怪我してませんかっ???」
『俺は大丈夫だ!
輝はっ?輝は何ともないのか?本当に?』
「俺は大丈夫ですっ!
花巻と森田が守ってくれたから…」
『そうか…良かった…
今そっちに向かってるから…後で…』
「はいっ!後で…」
電話が切れた…
「葛西君、ダンナさん?」
放心状態の俺に、森田が声を掛けてくれた。
「あ…うん。無事だって…」
ポロリと涙が溢れた。
「良かったね…」
ティッシュを手渡しながら、俺の背中をとんとんと優しく叩いてくれる。
その気遣いにまた泣けてきた。
「シルバちゃんの方も、ちゃんと警護隊が配備されたから。
というか、園全体に。
子供達には、先生がきちんと説明してくれているから、心配しないで!」
「…ありがとうございます…
でも、どうして俺達が狙われたんだろう…」
中澤課長が
「取り調べが済んでないから何とも言えないが…
須崎君が人狼だという情報を何らかの形で手に入れて、シルバちゃんの存在を知り、そして伴侶の葛西君が人狼で、然も妊娠してるという、理想的なケースだったからじゃないかと…
でも、これでもう終わりにしてみせる。
人狼が人狼らしく、堂々と暮らせるように。
人狼警察の威信をかけて、親玉を捕まえてみせるよ。」
「課長…」
いつものヘラヘラしてる課長じゃない…
あの緩さはカモフラージュか?
多分、こっちが本来の課長の姿なんだろう。
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