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ストーカーside:輝⑨

課長は黒曜さんに 「初めまして。葛西君の上司に当たる中澤です。 この会社での役職は仮で、本職は人狼警察の本部直轄の部長になります。 この先、あなた方を護衛していくことになるので、その点はご了承下さい!」 「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。 どうか…よろしくお願い致しますっ! ところで、犯人は…」 「今のところ、人狼の病院の看護師までは繋がってるんです。 そこから先を取り調べている最中で… 恐らく、その情報は親玉の方にも行っているはずですから、何らかの動きはあるかと… 我々も全力で守りますから、どうかお気を付け下さい。」 「分かりました。ありがとうございます。 私達はどうすれば?」 「取り敢えず、通常の生活で構いません。 ただ、なるべく人混みを避ける、無用の外出は避ける、遠方へ出掛ける際は我々に連絡をしていただければ助かります。」 「早速なんですが今夜、輝の兄から『自宅は危険だから暫く自分の家に泊まるように』と言ってもらってて、そちらに行く予定なんです。」 「ご住所は?」 黒曜さんが携帯の画面を呼び出して見せると 「あぁ!ここなら安心です。 人狼しか入れない、専門のマンションですから。 身元のしっかりした人でないと入れないんです。 そうですね…暫くお世話になられた方がいいかもしれません。 うちの二人もここにいますから、なお安心です。 葛西君も一緒に出退勤できるし、その方がいいですね。」 「そんな!そこまで迷惑かけられないですっ! 俺のためにそんな…」 森田が俺の手を握り 「迷惑じゃないよ!大事な身体なんだから、俺達に任せて!」 と言ってくれた。

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