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護り④
課長が
「ここは癒しの空間と密かに呼ばれてる。
和気藹々とお互いを思い合って、ただ地道にコツコツと仕事を進めていく。
誰かが困っていたら手助けする。
あくせくして働く必要もノルマもない。
という訳で…来週からよろしくね、葛西君。
おーい、森田!
葛西君、連れて行ってあげてー!」
「至りませんが、こちらこそどうぞよろしくお願いします!」
課長に再度丁寧にお辞儀をして、別れた。
「森田、ごめん。お待たせ!」
森田がコーヒーを飲み干して微笑みながら
「ね?あそこなら無理なく続けられそうでしょ?」
「うん!課長も補佐の矢部ちゃんも、怖い人ならどうしようかと思ってたけど…良かった…」
「あそこの部署は、みんな人狼だから安心して。」
「え、そうなんだ。みんな?」
「うん、みんな。」
「そうか…じゃあ、俺が入っても、誰も不思議には思わないんだ…」
「うん。誰も詮索しないし受け入れる。
その代わり去っていく時も、何も言わない。」
「ふーん…ドライなんだね。」
「ドライと言うか…人狼の習性かな。
でも、葛西君はきっと大丈夫だと思う。」
「何?その妙な確信は。」
あははっ と笑いながら医務室に戻ると…
「輝っ!」「ママっ!」
二つの塊が俺に飛びついてきた!
一つは太腿に。
もう一つは俺をすっぽりと包み込んで。
「黒曜さん!シルバ!」
俺は片手でシルバを もう片方で黒曜さんを抱きしめた。
「無事で良かった…」
「黒曜さんも…無事で良かった…」
愛おしい恋人の匂いと温もりに包まれて、涙が出てきた。
シルバの頭を撫で、黒曜さんの背中を摩った。
この温もりを無くしたりはしない。
絶対に護り抜く!
沸沸と強い思いが溢れてきた。
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