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雨降る夜⑥

シュワシュワと口の中で弾ける炭酸。 乾いた喉を潤して、次々と運ばれてくる料理に舌鼓を打つ。 「美味しいっ!」 「うん、美味いね、良かった。」 俺は、シルバのアフターケアのこと、新しい部署や花巻達のこと、黒曜さんは今手掛けている新作のことやシルバの保育園の様子なんかをあれこれと、お互いいつもより饒舌に話していた。 あっという間にデザートまで平らげて、もうこれ以上は入りません というくらいにお腹一杯になった。 オーナーさんは、黒曜さんにはエスプレッソ、俺には温かい麦茶をサーブしてくれた。 「本当に美味しかったです。ご馳走様でした。」 心からの賛辞とお礼を言うと 「喜んでいただけて光栄です。 …あなたの…魂の叫びに、私達人狼は皆心打たれて泣きましたよ。 本当に、お子さんが無事で良かった。 それに、国が全面的にトップシークレットで人狼をサポートすることになったそうです。 これでもう、怯えて暮らさなくても良くなりました。 おこがましいけど、皆んなを代表してお礼を言わせて下さい。 本当にありがとうございました。」 「そんな!お礼を言いたいのはこちらの方です! シルバを…太陽君を助けて下さって、本当にありがとうございました! …まさか…獣化できるなんて、思ってもなかったし、あの想いが本当に届くなんて…」 「とんでもない!お二人にはどれだけ感謝してもしきれない。 ぜひまたご来店下さい。 ご連絡いただければ、いつでも席を空けてお待ちしてますよ。 どうかお身体を大切にして、元気な赤ちゃんを産んで下さいね。 落ち着いたらぜひ赤ちゃんも抱っこさせて下さい。」 にこやかなオーナーさんの笑顔に泣きそうになった。

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