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雨降る夜⑨
脱衣所で俺をそっと下ろすと、先に自分の服を脱いでから、俺の服を一枚一枚丁寧に脱がせた。
「何だか…そんなにされる方が恥ずかしいんだけど。」
ちろ…と見上げた夫は、真っ赤な顔になり
「輝…その顔、反則。」
と訳の分からぬことを呟き、そっと唇を重ねると、手を繋いできた。
「ほら…足元気を付けて…」
言われるがまま、シャワーの下へ連れて行かれた。
壁に手を突くように言われ、程良い温度のお湯をザァーーッと頭から浴びせられ、わしゃわしゃと髪を洗われる。
大きな手に包み込まれて、ほおっと安堵のため息を漏らす。
「…痒いとこないか?」
「はい…気持ちイイ…」
途端にグイと腰に押し付けられたのは、黒曜さんの昂ぶった雄の印。
「こ、黒曜さんっ!?」
慌てて振り向いた口を奪われ、黒曜さんの頭から滴り落ちるお湯の雫を受け、動けずにフリーズしていた。
はむ っと唇を柔く噛まれて
「あとはベッドでな。」
飛沫を浴びて水滴を弾く尻尾が揺れていた。
俺は何も考えることができずに、黒曜さんのいいように身体を洗われ、全身を赤く染めてベッドへ連れて行かれた。
半人半狼の黒曜さんは、今まで以上に雄臭くて、その匂いや出で立ちにクラクラする。
俺の愛するカッコいい狼。
優しく髪を撫でられ、愛しげな視線で見つめられて、どうしていいのかわからないくらいに『愛してる』の気持ちが溢れ出して止まらない。
「黒曜さん…」
小さな声で名を呼ぶと、そっとおデコにキスをくれた。
そのキスが、段々と下に降りてくる。
少しずつ荒くなってくる息遣いに、俺の心臓も早打ちを始め、息をするのも苦しくなってくる。
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