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産休⑤
休みになったとはいえ、何かとやることがあり、一日はあっという間に過ぎていく。
時々 花巻達が、外出できない俺のためにと、食料を持って遊びに来てくれる。
花「段々と大きくなって、動きにくそうだね。」
「うん。『よいしょっ』とか、ついつい出ちゃうんだよねぇ…」
森「お腹…触らせてもらってもいい?」
「もちろん!どうぞ。」
森「うわっ!動いた…俺は要だよ。生まれたら抱っこさせてね。」
森田がうれしそうにお腹に話しかけてくれる。
森「…あっ!“ぐにょ”って!返事してくれたよ!ふふっ。
ところでさ、どっちか分かってるの?」
「うん、聞いちゃった。俺はね。
黒曜さんは『生まれるまで黙ってて』って言うから言わないよー。」
花「そうか。じゃあ、俺達も聞かないよ。
名前も生まれてから決めるのか?」
「そうだね。この子を見てから決めるんだって。」
花「それも楽しみだな。」
「ところでお前達、結婚はどうするんだ?
そろそろ…かな?」
花「そうなんだ。頼りになる新人君も入ってきたから、要が抜けても大丈夫そうだし。
実は、来週には籍を入れようかと思ってるんだ。
すぐに休職と言う訳でもないんだけど、その…ほら、妊娠したら…な?」
森「先月、浩一が実家に挨拶に行ってくれて…
あ、その前に浩一の実家にも挨拶に行って、ご両親にも快諾してもらってるんだ。
式は二人だけであげようかな、って思ってるんだけど。」
「うわぁ!おめでとう!うれしいよ。
黒曜さんも喜ぶよ。
森田、無理するなよ。身体が一番だからな。」
森田は、真っ赤になって はにかみながら「アリガトウ」と呟いた。
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