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母の日に④
そして金曜日…
子供達自身で紙に包みリボンを掛けたプレゼント(所々破けていたり、リボンがぐちゃぐちゃなのはご愛嬌だ)を手提げの付いた紙袋に入れて、みんなが帰って行く。
すぐにお母さんに渡す子、隠すようにして持って帰る子、自分で開けて見せちゃう子…
園内が笑い声に包まれた。
「せんせーっ!まーた げーつよーび!
さようなら!」
ハグしてハイタッチをしてサヨウナラしていく。
銀波君のお迎えは…今日は三人で…相変わらず仲が良いのね。
銀河君、この喧騒の中でもスヤスヤ眠ってる。
もう少ししたら、あの子もここに通うことになるんでしょうね。
「ママっ!黒曜っ!銀河っ!」
「「シルバ!お帰り。」」
「ただいま!…ママ、これ…」
「ん?俺に?」
「うんっ!…『母の日』のプレゼント…」
「えっ、ホント?
ありがとう、シルバ。うれしいな。
何だろう…黒曜さん、早く帰ろう!家で落ち着いて開けたいから。」
「分かったよ。銀波、みんなにサヨウナラ言わなくちゃ。」
銀波君は、側にぴったりとくっ付いている太陽君に、いつものように握手とハグをして、名残惜しげに手を離した後、私にハイタッチ。
「ゆみせんせー、まーたげーつよーび!」
「はい、まーたげーつよーび!さようなら!」
「さようなら!」
全員を見送った後、何もなくなった棚を見つめていた。
お母さん達、喜んでくれるといいな。
子供達の力作だもの。
さーて…今年は、どんな花を贈ろうかな。
『母の日』だからカーネーションは外せないか…
ピンクのバラが好きだったから、これも入れなくちゃ。
ふふっ。結局毎年似たような花束になっちゃうのか。
お母さん…私、頑張ってるよ。
だから、安心して空から見守っててね。
日曜日に、お墓参りに行くから、待ってて。
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