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第1章第40話

流される俺を他所に 氷浦の舌は俺の口内に侵入し 舌を絡め取るときつく吸われる。 思わず俺の身体はビクンと跳ねた。 ヤバイ……上手い……流される。 「ちょ……と、ちょっと待った」 俺は重ねた唇をなんとか離し 氷浦の身体を引き離す。 互いに乱れる呼吸……。 「……なんで?」 いやなんでって! 俺にも順番てものがある……。 「ゴホン……先に話してくれないかな」 「……………………」 俺の言葉に氷浦の顔から血の気が 引いていくのが手に取るように分かった。 多分俺が思っている以上に 抱え込んでいるものが大きいのだと その顔色で判断できた。 俺が氷浦に手を伸ばすと ビクンと身体を震わせる。 怖い……のか?いや…………。 俺は氷浦を引き寄せると ギュッと抱きしめ口を開く。 「…………話を訊かせて……。 それからでも遅くないだろ?」 氷浦は俺の背中にしがみつき 僅かに身体を震わせながら 小さな声で俺に問う。 「……話したら抱いてくれるの?」 「とにかく訊いてからだ」 俺の真剣な眼差しに観念したのか 氷浦は俺から離れギュッと唇を 噛み締めた後ゆっくり語りだした。

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