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第1章第56話

食後のホットドリンクで お互い一息。 「朝陽動物好きなのか?」 心愛に向けられた視線がこちらを向く。 「動物飼った事なくて─── 可愛いなって!」 なるほど!だから飽きもせず 見てた訳だ! 「動物園とか行った事は?」 朝陽は少し考え口を開いた。 「小さい頃────1度だけ お父さんに連れてって もらった記憶はある」 そう言った朝陽の顔は少し寂しげ。 俺はゆっくり体を引き寄せると 抱きしめながら訊いてみる。 「今度一緒に行こうか! 明日祝日だし俺は明日でも 構わないけど──── 疲れてるなら今度行こう?」 朝陽は胸元から顔を出し 「本当に?いいの?」 小さな頭を撫でながら 俺は笑顔で言った。 「勿論!お弁当作って一緒に行こう」 寂しげな顔から パッと明るい表情に変わり 「うん!絶対行く」 それが可愛くて頭をくしゃくしゃすると 朝陽は満面の笑みを浮かべた。 俺達は何気ない話をして その日は心愛と3人で就寝。 一人で寝る時より 温かな体温を感じたその日は ぐっすり眠れた。

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