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第1章第59話
朝陽side
逃げるようにお風呂場に来て
身体を洗いながら思う……。
蒼空との時間があまりに
温かくて幸せで────。
だから怖い────。
この泡のように
突然消えてしまいそうで。
僕は手の中の泡が消えていくのを
見つめていた。
涙が零れそうなのを
僕はぐっと堪えながら思う。
もう泣かないって決めたんだ。
「朝陽────」
ドア越しの蒼空の声に
ドキっと心臓が跳ねる。
「服、ここに置いておくから」
僕はパシャと顔を洗うと
小さく返事をした
気配がなくなるのを待ち
口許に軽く触れる。
あんな事突然したから
ビックリしたよね……。
嫌われたかな────。
僅かに頬が染まるのを感じ
僕は身体を流した。
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