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第1章第62話

朝陽side ガタガタ震えていた身体も 暫くして落ち着く。 心愛は悲しいそうな 声でミャーと泣き 僕に擦り寄る。 「もう大丈夫か?」 蒼空の優しい声、 僕は小さく頷いた。 「朝陽ちょっとスマホ貸して」 「えっ……………?」 「いいから!」 ちょっと怖い顔で僕の スマホを渡すと 蒼空はこう言った。 「俺からメール入れる」 「え!蒼空────」 「ちゃんと自分の名前は名乗るし 挨拶に行く事も伝える、 ただもう少し時間欲しいって 伝えるだけだから」 「…………………」 僕はそれ以上何も言えなかった。 黙って頷く。それしか出来ない。 僕は蒼空の手元を見つめ メール内容をドキドキしながら見る。 「突然のメール失礼します、 現在朝陽の側にいさせてもらってます、 社会人の上条蒼空です……、 いきなりのメールで失礼かと思いますが 勝手ではありますが、 朝陽にもう少しお時間を頂きたいのです、 事情は本人から全て訊いております、 その上で簡単に整理がつくような 問題ではないと云う事、 部外者の私が間に入るのは 失礼なのかもしれませんが、 私にとっては朝陽は大事な子です、 後日本人の気持ちが整理出来た時に ご挨拶させて頂きますので どうか朝陽の気持ちを最優先して 頂けますようお願い致します、 上条蒼空」 それだけ打って蒼空は 僕を抱きしめた。 僕は僕の気持ちを何より 優先してくれている 蒼空の気持ちが嬉しかった。 とてもとても────。 暫くして返信が来た。 その内容は…… 「どなたかは分かりませんが こちらが焦りすぎたようです、 朝陽君が落ち着きましたらご連絡 頂けると幸いです、誠」 それだけ返って来て 僕は正直ホッとした。 僕は蒼空に抱きつき キスをした。 蒼空も少しビックリしたけど そのまま深く絡み合った。

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