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第1章第66話
掻き出されてまた1度
白濁を吐き出して
正直身体はフラフラで、
目はトロンとしていた。
「ごめんね?でも可愛い」
チュッとキスされて
それだけで僕は身体を震わせる。
結局まともに立ち上がれなくて
蒼空が抱っこして
ベッドまで運んでくれた。
答え出さないと……。
いつまでも甘えてばかりいたら
僕はズルズル逃げてしまいそう。
父親────。
あの人に会わなくちゃ。
「朝陽?」
蒼空は濡れた髪を拭きながら
横たわる僕の側に腰掛ける。
「なんでもないよ」
僕は心配掛けたくなくて
その場凌ぎに嘘を言った。
だけど────、
「一緒に行くからね」
僕の嘘なんて蒼空には通用しない。
顔に書いてあるんじゃないかと
思うくらいバレてる。
「うん────」
僕は蒼空の服を少しだけ
握るとそのまま眠ってしまった。
それから1週間が過ぎ
僕は父親だと言う一条さんに
メールを送った。
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