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第2章第70話

あれから連絡して OKを貰って1週間。 いよいよ明日に控えて もう深夜の1時を過ぎているのに 僕は緊張して寝れないでいる。 何を話せばいいのか 正直分からない。 薄暗い部屋。 心愛も蒼空も眠っている。 当然だ。蒼空は毎日仕事してんだもん。 僕は学校も行かず何もしてない。 このままじゃ駄目なんだけど……。 話をするまで前に進めない。 「はぁ………………」 思わず溜息零した瞬間。 僕に回されていた 蒼空の腕に力が入る。 「寝れないのか?」 気がつけば寝ていた筈の 蒼空はバッチリ目を開けて こちらを見ている。 「ごめん────起こした?」 蒼空はううん、と首を振り 僕を引き寄せる。 「緊張して……るよな!」 正直そうだし僕は頷く。 この人の前だと 何故か素直になれる。 本当不思議。 「俺が付いてるから」 そう言ってチュッと唇が重なる。 僕は不安な気持ちに潰されそうで もっと欲しいと強請る。 蒼空は疲れているのに……、 拒否する事なく 僕を組敷くと 深い深い口付けが降りてきた。 明日の決戦がどうなるか わからない。でも今は────、 僕は束の間、蒼空の腕の中で 現実を忘れた。

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