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第2章第71話
次の日僕は朝からそわそわ。
蒼空は落ち着いてって
言うけど落ち着かない。
時計ばかりを気にして
ウロウロ。
流石に蒼空も困った顔になり
僕の腕を掴んで引き寄せる。
「大丈夫落ち着いて……、
何があっても守るから」
僕はギュッとして
自分を落ち着かせる。
時間まで後僅か……。
僕の心臓は限界まで高鳴り
その時を迎えた。
ピンポーン────。
約束通りの時間にチャイムが鳴る。
僕は出ようとした蒼空の裾を
軽く掴んで止める。
「朝陽────大丈夫だから」
蒼空はこんな時も冷静で
僕の頭を撫でると
玄関へ向かった。
僕の心臓が跳ね上がるのと
同時にドアが開き
一条さんの姿が見えた。
きちんとした身なり。
場違いではないかと
思う高級そうなスーツ。
話さないと────、
逃げ出したい気持ちを
必死に抑え込み
僕達は彼を部屋へと招き入れた。
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