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第2章第78話
朝陽side
蒼空の腕の中で落ち込む僕。
もっと解る人だと思っていた。
でも確かに拭えない違和感はあった。
それがこんな形になるなんて……。
父親なんて認識ないけど
一番ショックなのは
蒼空にあんな風に噛み付いた事。
それが何より僕にはショックだった。
「朝陽?落ち着いた?」
あんなに酷い言われ方したのに
蒼空は優しい眼差し。
だから余計に胸が痛い。
「ごめんね……ごめんね」
謝る僕を蒼空は優しく撫で
もう一度ギュッと抱きしめると
口を開いた。
「もういいから、
朝陽が悪い訳じゃないだろ?
それに────覚悟はしてた」
「…………………………」
世間的には男同士は
やっぱり有りえない事?
僕は男の人しか知らないのに。
だけど────蒼空は
あの人が言う様な人じゃない。
それだけは解るから……。
「朝陽?」
考え事してる僕の顔を覗き込んで
また心配顔。
「僕は……ここにいていいの?」
正直迷惑になるんじゃないか……。
僕が居ることで蒼空が傷つくなら
僕は────────。
「なに馬鹿な事言ってるの?
遠慮ならやめて!俺は
自分で決めたの、お前を守るって」
「…………蒼空」
「だから俺の為にどうとかやめてね?
そんなの望んでないから」
やっぱり僕は────この人の側にいたい。
例えそれが祝福されないとしても。
それから月日が流れ
1ヶ月以上。
あの日から一条さんからの
連絡は一度もない。
僕は少しだけホッとしていた。
正直このまま忘れたい。
そんな風にも考え始めていた。
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