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第2章第80話

蒼空が帰宅したのは 6時過ぎてから。 僕達は夕飯とお風呂を 済ませソファに座ると 蒼空の顔が真剣な表情を見せた。 大人な顔に僕はドキッとする。 でも蒼空から出た言葉に 僕は唖然とした。 「もう一度一条さんに 連絡を取って会おうと思う」 「…………どうして?」 落ちそうになったカップを 何とかテーブルに置くと 僕の声は震えた。 「あんなに酷い事言われたのに なんで?僕は嫌だ」 ガタっとその場に勢いよく立つと 蒼空はゆっくり立ち上がり 僕を抱きしめた。 「朝陽落ち着いて…………。 朝陽に会えって 言ってるんじゃないよ、 ただ俺は朝陽といる為に そうしなきゃいけないんだ」 「蒼空………」 僕の目から一粒雫が流れ落ちると 蒼空はまるでそれを吸い取るように キスをする。心地いい感覚。 「俺は大丈夫、会ってもらえる 保証はないけど、朝陽といる為に 負けるわけにはいかないんだ」 この人は本当に強い。 僕の為にいつもいつも────。 僕に何が返せる? 何がしてあげられる? 僕は蒼空の首に腕を絡め 吸いこまれる様にキスをした。 正直言葉が見つからない だから今はこの人が欲しい。 何度か離れては重ねてを 繰り返すと少し驚いてた 蒼空も僕の腰を引き寄せ 深く甘い口付けをくれた。

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