83 / 140

第2章第82話

行為が終わってからも僕達は 密着したまま僕は蒼空の腕の中。 黙っていても不安など微塵もない。 僕は思っている事を伝えようと ゆっくりと口を開いた。 「蒼空────僕」 蒼空は優しい顔で 僕を抱き締めたまま 顔をこちらに向ける。 「どうした?」 こんな事口にしていいのか? でも────気持ちだけは伝えたい。 だから────────、 「僕、蒼空の家族になりたい、 我儘だって分かってる、 それでも僕は蒼空とずっと 一緒にいたい……だからその、 養子縁組………………」 蒼空は目を見開いて僕を見る。 それでもその顔は直ぐに 優しく微笑んで僕の額にキスをくれた。 「現実は厳しいよ? 直ぐにどうこなるとも思えない、 一条さんの許可は必須になってくる、 それでも朝陽は待てる?」 どんな形でも構わない。 時間がかかってもいい。 現実にならないかもしれない。 それでも僕は蒼空の側に いる事を望んだ。 今の日本は男同士の 婚姻は認められていない。 ましてや僕はまだその歳 には満たない。 なら────答えは1つ。 養子縁組────。 勿論簡単だとは思ってない。 それでも────、 「朝陽が望むなら俺は構わないよ、 ただ通るかは分からない」 「それでもいい、挑戦したい」 僕からこんな事、 間違いなのかもしれない。 だけど蒼空は決して拒否はしなかった。 「わかった、やるだけやってみよ」 僕はその気持ちが嬉しくて 胸の中に埋まる。 叶わなくてもいい。 例え現実にならなくても この人の側にいると決めたんだから。

ともだちにシェアしよう!