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第2章第85話

次の日────、 誰かとこうして動物園とか 初めてかもしれない。 でも────────、 「わー心愛の大きいのがいる」 「朝陽あれは虎だよ」 微笑ましい言葉に俺は クスクス笑う。 朝陽は動物園に来てから 目を輝かせて笑顔。 しかも虎を心愛とか! めっちゃ可愛い。 「蒼空写真撮ろう?」 今日の朝陽はいい顔してる。 いつの間にやら自撮り棒まで 用意して。俺は朝陽を ぐいっと引っ張りカメラに 向かってVサイン。 朝陽も少々ビックリした 表情を見せたけど 直ぐ笑顔に切り替えてパシャリ。 上手く虎を背後に 最高の写真が撮れた。 いつもは背後にくっついて 回る朝陽も今日は自ら 俺の腕を引っ張り 動物園を堪能した。 「ちょっ……朝陽 そろそろお昼にしよ、 お腹空いたよ」 俺の一言に動物を撮影しまくってる 朝陽も流石に手を止める。 「食べる」 朝陽がお腹に手を当てると 俺のも同時にグーといい音が鳴った。 瞬間俺達は顔を見合わせ大笑い。 「お弁当作って来たから食べよ」 「うん」 丁度いい場所が空いていたから 俺達は向かい合わせで座り お弁当を広げた。

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