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第2章第88話

朝陽side 心愛を胸に抱き抱え 僕は鏡の前に立つ。 僕は大事に心愛を抱きながら 片手で染めた髪に触れる。 髪はだいぶ伸びて染めた 部分は色が抜け根元は 黒髪が生えている。 「………………髪染めようか」 母親が褒めた黒髪が嫌で 金髪に染めたけど 母親に固執してたら きっと先には進めない。 「心愛、僕変わりたいんだ」 心愛はまるで分かったかのように ミャーと鳴く。 それが僕の背中を押した。 「心愛少しお留守番できる?」 僕が言葉にすれば 心愛はミャーと返事をする。 不思議────きっと言葉は 分からないのに、通じてるような感覚。 僕は心愛の小さな頭を撫で 支度をし行ってきますと家を出た。 蒼空はどんな顔をする? 褒めてくれるだろうか? 僕は足早に美容室に向かった。

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