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第1章第2話

男は満足そうに煙草に火をつけ 僕を引き寄せた。 「お前色っぽいな こんな細い身体して」 片手で煙草の灰を器用に落とすと 男の大きな手が僕の体を撫でる。 「放して、シャワー浴びたいの」 パシッと男の手を叩き振り払う。 「冷たいね」 叩かれた手を擦りながらボソッと呟く。 誘ったのは……僕だ。 けれど、何も感じない。 イく事はギリギリ可能でも、 気持ちいいとは思わない。 もう何度目か…… 街で声を掛けては ホテルに連れ込んで行為に及ぶ。 その殆どが1度切りの関係。 そして、誰もが乱暴に僕を扱う。 分かっていた。そんな事……。

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