4 / 140

第1章第4話

どこまで来たのか 辺りを見回しても 何処だかまるで分らない。 しかも街中からかなり 歩いてきたみたいで この先はもう住宅街だ。 ザーザー未だに雨は止まず。 温めた身体ももう冷えきっている。 その時────。 「ん?」 ミャーミャーと何処かで子猫が鳴いた。 辺りを見ると、ゴミ捨場にダンボール。 あそこか────。 ゆっくり近づくと ミャーミャー鳴きながら震えている 俺は小さな子猫を抱き上げ 「お前……捨てられたのか?」 この雨でだいぶ弱ってる。 ガタガタ震えミャーミャー鳴く。 まだ生まれたばかりの子猫。 「お前も同じだな……俺も 捨てられた母親に」 温めてあげたいけど 俺の身体もびしょ濡れ、 さっきより雨足は強くなり 頭がボーッとする。 「はぁ……俺と……帰るか?」 だが、目の前が遠のいてく……。 あれ……………………………。 瞬間バタンとその場で意識を失った。

ともだちにシェアしよう!