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第1章第6話
蒼空side
「お先に失礼ます」
会社を後にし家路に急ぐ。
「なんだ雨か」
持っていた傘を広げ土砂降りの中
タクシーを拾う。行き先を告げ一息。
大学卒業後なんとか
大手企業に就職し社会人2年目。
いつもなら残業で
この時間に帰れるのは久々だ。
15分程で自宅近くに着き
「有り難うございます」
そう言ってタクシーを降りた。
ミャーミャー、
「ん?猫?」
声のする方へ行くと
ミャーミャー
必死に何かを訴えてる。
どうした?
近づくと、そこには────、
俺はハッとし駆け寄る。
「おいっ、大丈夫か?」
思わず傘を放り投げ抱き上げた。
ずぶ濡れで身体は冷えきってる。
このままじゃ、死んじまう。
俺は抱き上げ自宅に運ぶことにした。
ミャーミャー、
「お前もか?来い」
猫も一緒に連れていき
自分の部屋へ上がり
とりあえず悪いとは思ったが
服を全て脱がし身体を拭く。
こいつ……痩せてる。そう思いながらも
自分の服を着せベッドを寝かせた。
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