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第1章第7話

額に手を添えると熱い 「はぁ……はぁ……」 完全に熱だ。 体温計を耳に入れピッとなる 「げ、38度」 俺は慌てて氷やら保冷枕を 用意し苦しそうな彼にあてがう。 額にも氷水でタオルを絞り乗せてやる。 ミャーミャー 「あ、お前もか」 ちょうどあったミルクを温め 口元に持っていくと 嬉しそうに飲んだ。 こいつの猫かな? 苦しげに眠る顔を見ると まだあどけない。 綺麗と言うよりは可愛い顔だ。 「はっくしゅん」 やべ、自分も濡れた服を脱ぎ捨て 身体を拭き着替える。 多少鍛えているとは言え 雨に濡れたら風邪を引く。 猫っ毛の黒髪は 雨で濡れてペタとしてる。 「はぁ……どうするか」 意識のない彼に視線を送り溜め息。 勢いで連れてきたが 何処の誰かも分らない。 だからって熱あるのに放り出せないし。 仕方ない。熱が下がるまで看てるか。

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