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第1章第9話

蒼空side 「ん……ん」 悪い夢でも見ているのか? 1時間程前から魘されている。 揺すって起こそうとも思ったが 顔色が悪い。 額に手をやると また熱が上がったのか熱い。 体温計を手にし耳で測る。 「38度5……上がってんじゃん」 病院に連れていこうか────。 「……か、さん」 「…………」 聞き取りづらかったが 確かに母親を呼んだ。 「…………たく」 こんな頭してんのに母親を呼ぶなんて。 俺は、あどけなさが残る顔に視線を向け 「しょうがねーか……」 半ば諦め彼の服を漁ってみるが 携帯すら持っていない。 今時携帯もないのか? 俺は生乾きの髪を くしゃくしゃにしながら とりあえず濡れた衣服を 洗濯機にかけた。

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