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第1章第15話
上条さんの視線が僕の顔を覗き込む。
もう……限界……。
「僕の事は放っておいてよ、
僕に構わないで!」
身体に触れる上条さんの手を振り払い
キッと睨みつけた。
少し驚いた様子……でも直ぐに真剣な
眼差しに変わり静かに口を開いた。
「……俺が悪いこと言ったのなら謝る。
でも、ならなんでそんな
泣きそうな顔をする?」
「…………っ」
ズキン────。
胸を鷲掴みにされたような感覚。
なんで……なんでこの人は────。
「そんな顔されて
そうですかって帰すと思う?
親に連絡されたくないならもうしない。
でも、1人では帰せない。」
「……そう言うの……、
お節介って言うんだ」
声が震える……。
見られたくなくて俯いた。
「俺が猫と一緒に拾ったんだ、
関わった以上最後まで責任はもつさ」
……………………もぅ、無理だ。
僕はその場に崩れ落ち、
目からは涙が溢れた。
上条さんは笑うでもなく、僕に近寄り
優しく頭を引き寄せ僕を抱きしめた。
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