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第1章第23話

蒼空side 1人で置いてきて大丈夫だったろうか? 会社のディスクに座り 10時半に始まる会議の資料を パソコンで作成中 どうしても氷浦の事が 気になって思うように手が進まない。 「はぁ……」 思わず出るのは溜息。 「どうした?」 そんな俺を見て 先輩の芹沢(せりざわ)さんが声をかけてきた。 「いえ……あんまり 寝れなかっただけです」 「そうか?」 少し心配そうな表情で 俺の顔を覗き込む。 芹沢さんは入社して指導してくれる 傍らプライベートでも 色々相談に乗ってくれる 良き先輩……。 確か今年28だから、 俺の4つ上か。 「ならいいけど資料間に合うか? 時間ないぞ!」 いけない本当に急がないと間に合わない。 時計は既に9時半を回っている。 俺は慌てた様子で 「すいません……急ぎます」 とにかくここで考えても仕方ない。 緩めていたネクタイを締め直し 仕事に集中! 会議が終わったら連絡してみよう……。 頭の隅でそう思いながら 俺は半分しか出来ていない 資料を急いで作成し始めた。

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