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料理がしたい
ココside
ハルが明日は大学がお休みだから、料理を教えてもらうことになった。
「いや、昼間ずっとひとりにしてただろ?だからそのお詫びというか…。
家にずっと閉じ込めているみたいで悪いなって。一番はな、仲良くなりたいって思って…嫌なら別にいいけどさ」
ハルが照れくさそうに目線を逸らしながらぶつぶつ呟く。
オレのことを思って予定を開けてくれた、オレのためだけに。
まだおどおどしてしまうオレに根気よく付き合ってくれるし、いつも笑顔で話しかけてくれる。
普通なら、はきはきしないオレにしびれを切らすだろうに、ハルは嫌な顔ひとつせずオレが過ごしやすいように配慮してくれる。
今もこうして、未だに心を開けずにいるオレとどうにかコミュニケーションを取ろうとしてくれている。
ハルがしてくれること全てが本当に嬉しくて堪らない。
「ほ、ほんと?」
思わず顔が明るくなった。
オレにこんなに優しくしてくれるなんて。
「あぁ。明日何がしたい?何でもいいぞ?」
「何でも……。うーん……じゃ、じゃあ料理教えて欲しい…」
「り、料理?」
意外だったようで首をかしげるハル。
「ハルみたいに美味しいの作りたい。ハルが疲れて帰ってきた時にオレの料理食べて欲しいから…」
いつもいつも、美味しい料理を作ってくれるけどオレはハルのために何も出来ていない。
洗濯だってろくにできないし、最近になってやっと服のたたみ方や掃除機の使い方を覚えたばかりだ。
ハルの負担はオレが家に置いてもらえるようになってからきっと増えてる。
分かっているはずなのに、ハルが疲れて帰ってきてもオレは料理の仕方が分からないから、楽をさせてあげられない。
だから申し訳なくて、せっかくならハルと一緒に何かを作って覚えたいと真っ先に思った。
けどダメだったかな?
「は、ハルだめ…かな?変な顔してる…けど」
「え、いや!全然いいぞ!何作ろう?」
「か、カレー?かな…」
「じゃあ、決まり。買い物も一緒行くかっ」
買い物も一緒に出来る…。
ハルの部屋に閉じ籠っていたから全く外へ出ていない。
久しぶりの外でとってもワクワクしてきた。
何だかデートみたいにだなって勝手に思ってしまい、胸がドキンと高鳴って苦しくなった。
そんな風にハルを見てるわけじゃないのに…っ!
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