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何がしたい?
遙side
ある朝、
「ココ。俺、明日の講義がないから何かして遊ばないか?」
とココに聞いてみた。
「え……?」
ココは頓狂な声を出した。
目をパチパチと瞬かせ、茶色い大きな瞳をこちらに向ける。
見詰められるとこっちが気恥ずかしくなった。
「いや、昼間ずっとひとりにしてただろ?だからそのお詫びというか…。
家にずっと閉じ込めているみたいで悪いなって。一番はな、仲良くなりたいって思って…嫌なら別にいいけどさ」
「ほ、ほんと?」
ココの顔がぱっと明るくなる。
「あぁ。明日何がしたい?何でもいいぞ?」
「何でも……うーん……じゃ、じゃあ料理教えて欲しい…」
「り、料理?」
想像もつかなかったことに驚く俺。
「ハルみたいに美味しいの作りたい。
オレには何も出来ないけど、ハルが疲れて帰ってきた時くらい、オレの料理食べて元気になって欲しいから…」
モジモジと恥ずかしそうにそう告げる。
俺の料理美味しいって思ってくれてたんだなぁとか、
俺のことそんなふうに思ってくれてんだなぁとか、
色々考えてしまって、気が抜けてしまった。
控えめに言っても少し感動。
「は、ハルだめ…かな?変な顔してる…けど」
本当に嬉しすぎてフリーズしてしまった。
「え、いや!全然いいぞ!何作ろう?」
「か、カレー?かな…」
「じゃあ、決まり。買い物も一緒行くかっ」
そう言うと、ココは嬉しそうに大きく頷いた。
「楽しみだな!」
一番テンション上がってるのは俺かもしれない。
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