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スキンシップ

遙side カレーは結局作れず仕舞いだけれど、あれからほんの少し仲良くなった。 その証拠に毎度俺が寝てる間にくっついてくる。 そして俺は、いつも自分の理性と格闘しながらようやくココを抱くのだった。 ココは俺が目を瞑っている間にもぞもぞと動いて俺の胸元にたどり着く。 俺が少し薄目を開けてその可愛いありさまを見ているのに気がつくと、 「……ぅぁ」 と混乱しまごつきみるみるうちに顔が赤くなって、逃げるようにベッドの端のほうへ行ったかと思うと、そっぽを向いて寝てしまう。 また俺が目を瞑って寝たふりをすると、再びもぞもぞと動くのだ。 「何見てんだ、早く寝ろよ?いつもみたいにもぞもぞしないのか?」 「な…っそ!」 目を瞑ったまま口角を上げて呟く。 「来ないのか」 「い、行かない…」 「ふーん」 「ね、寝ないもん」 「そうか、それは残念だ」 そのココの顔といいリアクションいい、いつも笑ってしまいそうなのを必死に堪えて平常心を保っている。 悶えたくなるような可愛いさのコイツを、思いきり抱きしめて―― あとは何をしよう… 後は何も浮かばないが、とりあえず抱きしめたい。 あわよくば、キス…も? あーやめやめ。考えるな、寝ろ。 それは話が違うだろうが! そう自分の中に言い聞かせて、俺のようすを見ながら動き回るココをよそに今夜も頭の中で煩悩を掻き消す。 ちょっと間そっぽを向いて寝ていたココ。 また薄く目を開けてみると、チラチラと俺の方を見ている。 俺のところに行かないと言い張ったせいで、引っ込みがつかなくなっているのだろう。 可愛い。 「おーい。来ないのか」 助け舟をだすが天邪鬼なところがあるらしい。 「い、行かないって言ったもん…」 と言って語尾がだんだんと頼りなくなり、ベッドの端のほうで小さくうずくまる。 「来いよ」 「嫌だもん」 「じゃあ、来んなよ?」 「……ぃやだ」 「じゃ、どっちなんだよ」 「………………来る」 少しの沈黙の後、そっぽを向いたまま俺の服を握ってくる。 「よし、おいで」 「………ん」 布団を捲り、俺の胸元のスペースをぽんぽんと叩く。 躊躇いがちにそっと俺の中に入ってきた。 すんすんと俺の匂いを嗅ぎながら、顔を紅く染めて俺の胸元に顔を埋める。 「俺、こうやって寝るの嫌いじゃねぇよ」 「……………」 そう優しく語りかけると、俺の服をクシャっと握って額を擦り付けてきた。 ミルクみたいな匂いが堪らなく心地いい。 「真っ暗にするけどいいか?」 「……うん」 そんなに胸に顔を寄せられたら、ドキドキしているのがバレてしまいそうでハラハラしたが、ココはもうすでに夢の中だった。 暗いところを怖がるココが寝たのを確認してから電気を消した。

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