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本当のプレゼント
遙side
「あ、そうだ。これ…」
上着のポケットから小さな箱を取り出す。
「なに?これ」
「クリスマスプレゼント…みたいな?」
「え……?今さっき貰ったのに?」
「あれは思い出用。これ、俺とお揃いで付けて欲しい。」
ココの手に乗せて、開けるように促す。
「ピアス…?」
「あ、イヤなら別のに換えるから」
俺はピアスに対して何の抵抗もないけど、そういえばココはまだ未成年だし…。
「ううん…嬉しいっ、こんなにオレのこと考えてくれてたるのに……オレ、何もあげられない」
喜ばせようと思っていたのに、かえってココは項垂れて逆効果になってしまった。
「ココが俺を受け入れてくれただけでも十分だよ」
そうフォローしながら抱きしめる。
「ウソだ…」
「じゃあ、俺の願い事聞いてくれるか?」
いたずらっぽく笑ってみせると、少し考えてから頷いてくれた。
「そーだなぁ……俺のことどう思ってるかココの口から聞かせてもらおうかな」
「え、そんなぁ!」
「俺ばっかりじゃフェアじゃないだろ?」
お願い、訊いてくれるんだよな?と甘く詰ってやる。
顔を真っ赤にして、もごもごと口を動かす。
「……き、だよ」
「ん?もう一回」
「す、好き……だよ」
「ありがとう。最高のクリスマスプレゼントだ」
頭を撫で、また強く抱きしめた。
よほど恥ずかしかったのか、ココは拗ねたような顔をして俺の胸に埋まった。
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