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初めてのクリスマスパーティー
ココside
「なぁ、ココ。明日クリスマスパーティするんだけど、一緒に来ないか?」
「え、オレも行っていいの?」
「もちろん。お前一人置いてくわけねーだろ?まあ、嫌とか言われても連れていくつもりだったけど」
クリスマスパーティがどんなものなのかよく知らないが、とにかくハルが誘ってくれたので喜んで承諾した。
きっと楽しいんだろう、ということだけは想像できた。
「知らない人が来るのかな…」
知らない人、しかもそれが大勢いる所にオレも混ざるのは、まだしたことがないから少し不安だった。
ハルとタイガとダイキ以外の人は知らない。
知らない人がいる席で楽しめるかどうかも不安だ。
「大丈夫。こぢんまりとしたパーティだから」
「タイガとダイキも来る?」
「もちろん。あと俺の兄貴と大輝の兄貴なんだけど…どうする?」
ハルのお兄ちゃん…見てみたいかも。
「大丈夫、オレも行きたい」
「よかった。みんなに報告しないとな」
「えっ?何を???」
報告とは何を報告するのかさっぱり分からなくて、何も考えずに質問する。
「何って、恋人ができたことだろ」
当たり前だろというような顔で告げられ、恋人になったことを自覚させられる。
「ココ顔真っ赤」
「ハルの恋人なんだなーって思ったらすごく照れくさくて…」
胸がむずむずするような幸せに嬉しさがこみ上げた。
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クリスマスパーティは翌日だった。
「いつもクリスマス終わってからするの?」
「あぁ、それぞれ仕事あっからな〜。そんなに緊張するなよ」
「う、うんっ、大丈夫…」
マンションの入口のインターホンを押す。
「やっほー。来てやったぞー」
「おー遙か。言ってたやつ持ってきたかー?」
「あーうん」
「なら入ってよし」
「おっ、ぉゃまします!」
ハルの後ろからひょっこりと顔を出して、挨拶をする。
緊張し過ぎて噛んでしまった。
「おっ、遙の連れか、ようこそっ!」
優しい声が帰ってきてすごくホッとした。
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