56 / 83
改めて報告
遙side
賑やかな食事が一段落し、デザートを碧ちゃんと俺で手分けして運んだ。
「えー…毎年恒例の報告会をしたいと思いまーす。碧〜ワインまだー?」
「はいはい。そんなこと言うなら手伝ってよ」
キッチンから呆れたように声が帰ってくる。
それぞれの目の前にワイングラスが置かれ、赤ワインが注がれる。
報告会というのは、それぞれの身の回りのこと(例えば恋人ができたとか、大学の単位落としたとか色々)を言う時間のことだ。
「ココちゃんは紅茶ね?」
そう言われて羨ましいそうに俺のワインを見つめた。
「大人になったらな?」
頭を撫でると諦めたようにこくんと頷いた。
「さ!では改めて!毎年恒例の報告会を行いたいと思いまーす!トップバッター挙手!」
「はいはいはいはーい!!!」
大我が嬉しそうに手を挙げてアピールした。
「では、そこの二人は何でしょうかっ?」
「おほん」
わざとらしく咳払いをし、大きく息を吸い込んだ。
ともだちにシェアしよう!