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ちなみに作者は一人でカレーを作れません

ココside 「ねぇ、この次はどうするの…?」 「こうやって玉ねぎを半分に切って……そうそう、同じ薄さで切るんだぞ」 「やだ……コレ…ぐずっ、ぐずっ。めぇいだい…」 「我慢だ」 「………ぐずっ、いだい……っ」 「美味しいカレー作りたいだろ?包丁になれるためにも頑張れ。な?」 宥めるように涙を親指で拭われた。 頭を撫でてくれたおかげで何だか頑張れそうな気がした。 「……んっ、ぐすっ」 そんなこんなで、やっと玉ねぎを三つ分切り終えた時には、目が熱くて泣きはらしたようになっていた。 涙がボロボロ零れたけど、玉ねぎをたくさん使った方が美味しくなるとハルが言うので、鼻を啜りながらなんとか頑張った。 「よし、よく頑張ったな」 「ほんと…?上手にできた?」 「あぁ、もちろん。次はニンジンをピーラーで剥いて、半月切りな。俺は玉ねぎ炒めるから」 褒められると、胸がざわざわしてくすぐったい。 ハルに言われた通り、ピーラーでニンジンを二本剥いたけれど、切ろうとしても以上にカタくてなかなか包丁が通らない。 「んっ!か、たいっ」 「頑張れ、包丁だけは振り回すなよ~」 「……いだっ!へぁ、血…」 「あ、大丈夫か!?」 そう言葉が紡がれたとおぼ同時にだった。 とっさにその切った指を口に含まれた。 「ふぁ…っ!」 チリッとした痛みと、温かくてぬるっとした感触が人差し指から伝わってくる。 柔らかな舌が絡みついて、肌が粟立っておまけにゾクゾクする。 ちゅっと血を吸われただけなのに、腰の付け根がビリビリして何かイケナイことをしているみたいに思えて仕方がなかった。 「あぁ、悪い。つい」 「あ…っ、うん」 銀糸が指先からハルの口にかけて繋がっている。 それが生々しくて、さらに恥ずかしくなって顔が湯気が出るほど熱くなる。 今のハルの行動が衝撃的過ぎて放心状態で空返事しか出来なかった。 人差し指のハルの口に入っていた部分がものすごくドクドクして熱い。 頭が混乱して何も考えられない。 今の光景が頭の中でぐるぐると何度も再生されていて、いつの間にかその指先には絆創膏が巻かれていた。 「まったく、気をつけろよ?」 と言いながら顔を覗き込まれた。 顔近い……っ―― その瞬間、全身の毛がブワッと逆立ったのを感じた。

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