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いいのか?

遙side 「シよ?…」と蚊の鳴くような声音が訊こえてきた。 「お、前……本気か?酔ってるからそう言ってるんだろ?」 「そうじゃないよ…ほんとにほんとらよ?」 ココにそんなことを言われるなんて夢にも思っていなかった。 突然の出来事で頭が少しパニックっていた。 「俺は、お前を怖がらせたくないし、嫌いになって欲しくない。 それに、お前の興味本位で抱くようなことはしたくない…。 誰かに言われたからとか、そういうのなら止めてくれ」 俺の中の理性と感性が格闘をする。 本当はその言葉を待っていた。 言われて、嬉しかった。 だけど、酔っ払って変な気を起こしているなら話は別だ。 「やっぱりボクのこと好きじゃらいの?ボクはハルのことらいすきらのに…」 と言いながらめそめそと泣き出した。 かわいそうでこっちから折れたいと思うが、一人称が『ボク』になっている時点で、いつものココではないことは確かだ。 「泣くなココ。俺もお前のこと好きだよ。大好きだ… でも、不安なんだよ。それで後悔しないかどうか」 「後悔しないよ?ほんとらもん。ボクのおちんちん硬くなってるもっ…ひグッ ねぇ、お願い……後悔なんてしないから。前よりもずっと気持ちよくしてほしいよぉ…ッひぐ」 「なら、その言葉忘れんなよ?」 ゆっくりと頷いたココの涙を拭いてやり、額に軽くキスをした。 顔色を伺うようにして上目遣いで俺を見詰めてくる。 「本当は抱きたくて、抱きたくて堪らなかった」 そう本心を口にしてココをゆっくり組み敷いた。 期待と隠し切れない興奮でごくりと喉が鳴った。

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