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胸キュンテロリスト

遙side ニコニコしながらカレーを口に運ぶココ。 どうやらこのカレーが気に入ったらしい。 今日のカレーはココの食べ物ランキングの何番に入るのだろう。 ちなみに今のところ一位の食べ物は、オムライスだ。 ココを拾って帰ってきた時に大好きになったらしい。 その次はポトフ。 以外と野菜の好き嫌いがなく美味しそうに食べてくれて、何杯もお代わりしていたのを覚えている。 「美味しいか?」 「うん、すごく美味しい…また作りたい」 「あぁ、俺も。また作ろうな」 そう言うと、嬉しそうに大きく頷いた。 ネコの耳がぴこぴこ動いてご機嫌なようすが窺える。 一日中ココと一緒にいられることは滅多にないから、今日は俺もなんだか嬉しかった。 お互いの距離がぐっと縮まった気がするのは俺だけだろうか―― 口をもぐもぐと動かしているところも可愛いと思う。 なんか幼いところがあるんだよなぁ… あどけないが、時々あざといというか。 確信犯じゃないかとさえ思ったりもするが、幼気で堪らなく可愛いと思う。 「ココ、口のところご飯粒付いてるぞ」 「ふぇ?」 あぁ。ほら、きゅるっとしたクリクリの目で俺を見てくるだろ? それがまた柄にもなく目を細めてしまう原因だ。 俺にこんな顔をさせるのはココだけだろう。 「ほら、こーこーだーよ」 おろおろしているのを見かねて、手を伸ばし口元の米粒を取ってやった。 この米粒をどうしようかと一瞬迷ってしまったが、捨てるのはもったいないと思ってパクッと口の中へ入れた。 「あっ…」 ココがポカンと口を開けて俺を見つめていた。 あ、何やってんだ俺。 ついつい余計なことを―― 何で俺はこんなに世話焼いて嬉しそうにしてるんだか。 「あ、わり…」 しかも、何焦ってんだ!恥ずかしい! そもそも相手は男だろが。 ココまで顔真っ赤だし。 あーもー調子狂う……

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