74 / 83
本当のこと
ココside
「最近ちゃんと眠れてるか?調子悪そうだけど」
「怖い夢見るの…。もし、ハルと暮らせてるのが夢だったらって考えちゃったりして…それがすごく怖くて…
あと、ハルに会う前の嫌な事がいっぱい夢ん中に出てくる」
「そのことについてなんだが…お前と会ったとき、首筋に赤い跡が付いていたんだ。そういうことしてたような跡…
それと関係があったりするのか?」
「……えっと」
オレは違うとは言い切れなかった
だって、それは嘘になってしまうから
でも本当の事なんて言いえない…
言えないけど、ずっと隠したままは嫌だ
「俺に言えないこと?」
「……………」
「ほんとの事言ってみな?」
言い出すのが怖い
それを言うと汚く思われるんじゃないか、嫌われるんじゃないかとか、そんなことばかり考えてしまう
「オレが何言っても嫌いにならないでね…?」
「何言ったって嫌いにならねぇよ。いつか、ほんとの事が知りたいとずっと思ってた」
と言って軽くキスをして笑ってくれた
その言葉が本当に心の底から嬉しかった
「お前のこと、全部知りたい。
だって、お前は俺のだろ?ちゃんと分かってないと信頼してもらえてない気になる…」
「そっか…そうだよね」
オレは意を決して真実を告げることにした
全部ひっくるめてオレを好きでいてほしい、もっと愛してほしいから
これはオレのハルと出会う前のお話――
ともだちにシェアしよう!