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ココの過去
オレは母親の顔も父親の顔も知らない。
そんな記憶も残ってないようなほど幼い、一歳にも満たないころに孤児院に預けられた。
孤児院の中には、オレみたいにネコ科出来るやつもいてみんな同じような境遇で。
でも、オレの孤児院はとても良い環境だった。
そこでは高校卒業までの学習を受ける事が出来るとても珍しいところだった。
表向きは――
オレは15の時まで知らなかった。
ここがどんなところなのかを…
いや、違う。
知らされなかったんだ。
この孤児院の裏の姿は、
子どもを、特にオレ達ネコ科の子を性愛玩動物と称して物好きたちにレンタルし、時には販売。
オレ達の精液を採集して『濃厚ミルク』と題してそいつら販売するようなワケの分からない会社だった。
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