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ココの過去6

そうしてオレは、謎のレオという男に毎日のように体の奥を暴かれた。 オレの精子は人気が出て、いつしか優遇されるようになって、この汚れた環境にも次第に慣れてきてしまっていた。 今まで、何が普通だったのかも忘れてしまったくらいに。 そして、戯れに仕事以外でレオと交わることが多くなった。 ただ寂しくて辛くて、どうしようもなく人肌を求めてしまう毎日が続いた。 名前なんて呼ばれないのが普通で、体を揺さぶられて果てるのが日常で…。 オレの心も身体もボロボロだった。 そんなある日オレは聞いてしまった。 『お前も明日で終わりだな。社長はお前のことを大層気に入っていたようだから、残念だ…。』 『やっと終わりか。まぁ、他の人に買われるからどっち道一緒か…。ここから早く出られるだけだもんな』 『良くしてもらえよ。無理だろうけど』 『大金が手に入ったから、もういいさ。このクソみたいな仕事に慣れちまったもんな…。』 その諦めの表情の横顔は、どこか悲しそうで盗み見していてとてもつらかった。 「ねぇ…。レオ。」 「なんだ」 「明日にはいなくなるってホント…なの?ごめん、さっき聞いちゃった」 恐る恐る聞いてみる。 嘘だという事を願いたい。 散々な目にあわされてるけど、今の…いや、これからのオレにはこの人しか頼る者がいない。 「あぁ、ほんとだよ…。聞いてたんだな。」 切なげな眼差しに心が痛む。 「なんで!?…オレこれからどうしたらいいの!?」 わけも分からず涙があふれた。 これからの事が不安で不安で仕方がない…。 レオはオレの心情を察するようにそっと近寄ってきて、優しく抱きしめた。 「もしかしたら、お前と会うのは最後かもしれないから言う。お前が好きだ」 「……え、今何て…?」 「お前の事が好きなんだ。お前を初めて見たとき、どことなく俺の弟に似ていて、助けたいって思った。でも、一緒に過ごしていくうち、だんだん好きになっちまった」 「そ、そんな…」 「お前は、こんな俺を好きじゃないだろう?外に出て一緒に暮らしたい。だけど、お前の事を考えると…それはきっと無理だ。でも、ここから助けることはできる。でも、それも無理かもしれない。だから言った」 「…………」 どう反応して良いのかまるで分からない。 でも、レオと一緒になるのだけは無理だと思った。 身を寄せる場所とは思っていたけれど、まだそんな感情はないのだから。 「お前はきっと良い牛になれるだろう…。絶対助けに来る。それまで待っててくれ」 ──────────────── 次の朝、もうレオはいなかった。 だけど、レオが首から下げていた小さな黒い王冠のネックレスだけがオレの手の中に入っていた。

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