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境界線がなくなった日3
遙side
講義が終わってから、大我と大輝らに飲み会に連れていかれた。
しかも、思っていたよりも大学からかなり遠かった。
電車に揺られながら、飲み会に参加したことを心底後悔する。
「はぁーあっ!」
なんとも言えない気持ちに、わざとらしく特大のため息をついた。
「なんだよ遙はー帰りたいのは分かるけど、今日は約束してたよね!?」
「あー、うん」
「今日はなー、かわええ子来るから楽しみにしとけよッ」
「んー…興味ない」
「ちょっと大我、可愛い子とか言わないでよ。後からどうなっても知らないよ?」
一瞬、大輝の目がギラついたのを俺たちは見逃さなかった。
どちらからともなく口を噤み、大人しく電車のガタゴトという音だけ聞いていた。
何で俺まで悪寒を感じるんだ。
思っきりとばっちりじゃねえか。
あぁ…帰りたい。
今頃アイツは飯でも食ってんのかな。
ちゃんと食べてんだろなぁ?
少し気を抜くと、いちいちココのことが気になって仕方がなかった。
完全にココ中心の生活になってるなぁ俺…
俺がいないときはどんな寂しい思いをしてるんだろうとヤキモキしてしまう。
買い物をしている時にふとお菓子コーナーを横目に見れば、ココの喜びそうなものはないかと見て回ってしまう。
チョコが好きだろうか、グミが好きだろうか、スナック菓子か…
特に最近はそんなことばかり考えてしまう。
ココともっと距離を知事める方法が知りたい、と少し、いや強く思っている自分がいるんだ。
誰かの笑った顔が見たいだなんていえば、コイツらはひっくり返ってしまうんじゃないだろうか。
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