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果たして俺は寝られるのか?
遙side
ココに服を着せてやりご飯も食べさせ、新しい歯ブラシを探し洗面所で歯も磨かせた。
あとは眠るだけだ。
俺の寝室に来たのはコイツが初めてだ。
俺の家へ入ることが出来るのは、古くからの付き合いである大我と大輝くらいだ。
「あ、あの……ありがと、う」
「気にすんな。どうせひとり暮らしだし誰にも迷惑はかかんねぇ」
「ひとり…さ、寂しくないの?」
「んー、たまに寝てたら時々寂しくなるかもな。でも、今日はお前がいるだろ?」
そう言うと、また少し嬉しそうにしっぽを揺らした。
寝るところはひとつしかなかったため、少し大きめのシングルベッドにふたりで潜り込む。
最初は遠慮して床で寝ると言い張っていたココだが、いくらネコだからと言って冷たい床で寝させるわけにはいかない。
「そんな怖がるなよ取って食いやしない」
「………」
「ココを見てると、昔ばあちゃんの家で飼ってたネコを思い出すよ」
「ど、どんなネコ……だったの」
「賢くてかわいいネコだった。最初は、仲良くなかったんだが、いつの間にか大の仲良しになって、最後は俺の膝の上で息を引き取った」
瞼の裏に浮かぶ思い出を振り返っていたらしんみりしてしまったので、冗談のつもりでまた口を開く。
「今度はお前が俺のネコになるか?…なんてな」
「へぇ!?…あ、えっと」
しどろもどろになり、俺の発言で気まずい空気になってその夜は何とも寝にくいものだった。
俺と同じ匂いがこの可愛いネコからもするのだ。そのせいもあるだろう。
なんか俺のもの感があってすごい優越感。
おまけに俺の服着てるしな、なんかエロいな……
って何考えてんだ俺…
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