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大失態

遙side 「ただいま……うぷっ」 やばい。今日は飲み過ぎた…。 世間一般からすれば、酒には強い「ザル」の部類に入るのだが、今日は大我が俺の隠しごとを暴こうと度数の強いアルコールを飲ませてきたのでこんなふうになってしまった。 飲み比べなんて急に言い出すから怪しいと思ったのに、負けず嫌いが祟ってまんまと騙された。 結局、ココのことは黙っていた方がいいだろうと思い何も言わなかった。 夜の10時過ぎだし、もうココは寝てしまっているだろうと思い、そっと玄関のドアを開ける。 「お、おかえり……」 ココがリビングからチラリと顔を覗かせる。 初めてココから声をかけてきてくれたので、目に見えた進歩に感動する。 「ただいま。飯、食ったか」 「ん…」 大きくコクリと頷いたのでほっと安堵する。 「良かった……うぅ」 ココが寄ってきて、大丈夫?と聞いてきてくれた。 急にまともな会話が出来るようになったから嬉しさと驚きでいっぱいだ。 「わりぃ…。トイレまで行くから」 酔ったせいでうまく歩けず、ココの手を借りる。 あと少しでトイレに辿り着くというところで、突然強い吐き気が襲った。 「ふぐっ…!」 思わず手で口を押さえた。 胃の中のものが戻ってきて動揺する。 「……?」 急に立ち止まって体をくの字に曲げた俺の顔を不思議そうに覗く。 飲み込むことも出すことも出来ず、頭が混乱して目もチカチカして来た。 視界がぐにゃぐにゃ曲がりだして、体がヤバいと訴えかけてきて、どうしようかと回らない頭で考えていた。 すると、突然それは治まった。 だが、今度は眠気が襲ってきた。 それもどうやっても抗えないような強い眠気。 吐き気がなくなって安堵している俺は、その睡魔に流されるまま眠ることにした。

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