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ど、どどどどうしよう!?
ココside
1週間前の嵐の夜、この優しいハルという人に拾ってもらった。
まだ人は怖くて、ハルへの態度もまだぎこちない。
そんな全く可愛くないオレに、ハルはご飯もくれるし寝床もくれた。
毎日話しかけてくれるし、時々頭を撫でてくれて、その手は温かくて安心するし嬉しい。
ハルは毎日朝ご飯を作ってくれて、お昼ご飯を作って冷蔵庫の中へ入れておいてくれる。
オレは、お昼になるまで冷蔵庫は開けないことにしている。
なぜなら、お昼になるまでのお楽しみにしているから。
今日は、昨日の残りもののハンバーグにチーズが乗せてあった。
レンジで温めて取り出すと、チーズがとろとろになっていてすごく美味しくて、好きな食べ物ランキングの2番がチーズハンバーグに決まった。
夜10時を廻ったころハルがフラフラして帰ってきた。
いつもより帰ってくるのが遅いし、ひとりでご飯を食べないといけなくて寂しかった。
早く構って欲しくて、思い切って「おかえり」と声をかけた。
ようやく帰ってきたハルは、オレが初めて話しかけたからびっくりしていた。
でも、顔が赤くなったり青くなったりしてなんだか変だ。
「飯、食ったか」
と聞かれて、慌てて頷く。
ご飯美味しかったよ。って言ってみようかなーと思ったけど、そんなことを言える状態じゃなかった。
近寄るとお酒の匂いがプンプンする。
鼻が曲がりそうだったけれど、ハルが心配で近寄る。
フラフラしてるのにトイレに行きたいって言ったから手伝ってあげたんだけど、突然顔色がすごく悪くなって、うずくまった。
「ふぐ…っ!」
「……?」
ようすを見ようと覗き込んだ瞬間、それは急に降りかかってきた。
ハルは苦しそうに顔を歪め、口の中のものを全部オレに吐き出しして、そのままバタンと倒れて寝息をかいてしまった。
「うぅーん…」
「ぎゃっ!!は、ハル!うぇえ…っ」
お、オレはどうすればいいんだぁあ!?
「うぇーーーん!!!!洋服汚れちゃったよぉー!!!」
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