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稚児のそらね
ココside
意識が不確かで夢うつつになっていると、不意に体が温かい体温に包まれた。
それで、頭の上から
「ミルクみたいな匂い…」
と、低い落ち着いた声が聞こえた。
吐息が肌にかかり、神経が過敏になる。
それで少し覚醒して目を開けようとしたその刹那。
今度は一瞬だが唇が温かくなった。
柔らかい感触の3秒くらい後にハルの唇だと理解した。
なぜなら、少しだけお酒の味がしたから。
若干湿ったその感触が生々しく頭の中に想像として映し出される。
そのせいで起きるタイミングをなくしまった。
起きた時は起きた時でなんだか居た堪れなくて、途端に腕を抜け出た。
ハルは、すごくあったかくていい匂いがした。
ずっとそのまま寝たふりをしていればよかったな…急に慌てるなんて。
少しあやしまれたかもしれない。
あと…キス、ちょっと気持ちよかったかも……
でも、あの時は心臓が飛び出るかと思った。
あんなかっこいい顔が起きた瞬間、目に映るんだもん。
しかも、オレにありがとうって言ってくれた…
思い出しただけでもさらに鼓動が高鳴る。
「顔が熱い…そういえば、あの時顔赤くなってなかったかな!?」
まだ、ハルの唇の感触が残ってるような気もするし、お風呂の時みたいにまたあの手で触れられたいと思ってしまう。
だめだめ。
そんなことしたら、お家に置いてもらえなくなる。
ぶんぶんと頭を振って昨日の悲惨な洋服を洗濯機にかけようと思い立つ。
今日の夜もちょっとだけ近くに寄って寝よう、かな。
い、いや!!やっぱりやめとく!!
まだほんのちょっと怖いから。
「あ、洗濯の仕方……オレ、知らない」
やっぱりさっきの起きてるってバレちゃったかな…
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